レビューや口コミといったUGCは、今やマーケティングには欠かせない重要な情報資産となっています。消費者のリアルな声は、信頼性と訴求力を高めるとともに、その活用方法の幅広さから、クリエイティブコンテンツとしても注目を集めています。
多くのブランドが、UGCの影響力に気付き、導入を進めている中で、技術の進化と消費者の購買行動やニーズの多様化により、UGCの質が問われるフェーズに入りつつあります。
今回は、UGCについて、基本的な概念から、活用施策、リスク対策、将来の展望まで、最新の活用事例やデータを用いながら、徹底解説いたします!
Contents:
1.UGCとは?初心者にもわかりやすく解説
― UGCの基本的な概念
― UGCの具体例
― UGCの種類
2.なぜ今 UGCが注目されているのか?
― UGCの重要性とメリット
― UGCコンテンツの魅力
3.UGCツールとは
― UGCツールの特徴
― UGCツールの種類
― UGCツールの導入効果
4.UGC施策
― LP改善
― CVR改善
― CTR改善
― エンゲージメントUP
― リプライ機能
― アンケート活用
― UGCとビジュアルUGC
5.UGCとマーケティング戦略
― UGCマーケティングとは
― ロイヤルカスタマーの創出
― one to oneマーケティング
― ファンマーケティング
6.UGC活用時に知っておきたいリスクと対策
― UGCとネガティブレビュー
― 薬機法(旧薬事法)対策
― ステマ規制への対応
7.UGCとSEO相乗効果
― 検索エンジンにおける評価への影響
― UGC収集と継続の重要性
― 自社サイトをリッチにする秘訣とは
8.UGCの最新活用事例集
― くらしきぬ様(CVR改善)
― famfam様(リプライ機能の活用)
― KEYMEMORY様(ビジュアルUGCの活用)
9.UGCでマーケティング新時代を拓く
― AIフェーズのUGC戦略
― UGCの将来の展望
1.UGCとは?初心者にもわかりやすく解説
ーUGCの基本的な概念
UGCとは、User Generated Contentの略であり、ユーザー 生成コンテンツと呼ばれています。ブランドが打ち出す広告や投稿とは異なり、一般のユーザーによって作り出されるコンテンツのことを表します。
ーUGCの具体例
UGCの代表的な例としては、商品を購入した際に消費者が投稿するレビューや口コミ、InstagramやTikTok、XなどのSNSを通じて投稿されるテキストや写真・動画などのビジュアルコンテンツなどが挙げられます。
ーUGCの種類
A.テキストレビュー
・文章で表現されるレビューです。写真や動画では伝えきれない詳細な使用感や利用感を言葉で表現することができます。
・テキストなので、無形商材・有形商材どちらでもレビューを投稿することができます。
B.星評価・スコアレビュー
・星マークによる評価や数字による評価を用いたレビューです。シンプルな評価方法なので、消費者の目に留まりやすく、わかりやすいことが特徴です。
C.ビジュアルレビュー
・SNSの普及により、タグ付けして、商品やサービスのPR、評価を行うユーザーが増えました。
・SNS上にアップされた写真や動画をビジュアルレビューとして、ECサイトに掲載することができるため、サイトのボリュームが増え、視覚的な訴求を可能にします。
2.なぜ今UGCが注目されているのか?
ーUGCの重要性とメリット
レビューや口コミなどのUGCは、顧客評価やVOC(Voice Of Customer)などと呼ばれ、いわゆるお客様の声としてマーケティングには欠かせない信頼性のある情報資産として位置付けられています。
UGCの導入により、様々なメリットを体験することができます。消費者が事前に商品やサービスをリサーチできることで消費者の購買の不安が軽減され、購入が後押しされます。言い換えると、社会的証明(※1)として活用することが可能です。
また、返品率を下げることが可能となり、ブランドスタッフの工数を減らすことに貢献します。
そのほか、顧客自身が商品やサービスの新たな使用方法などのアイデアを発見し、そのアイデアが発信されることで、訴求力を高める起爆剤となり、SNSなどを通してバズる可能性を秘めています。企業は、広告費用をかけることなく、その恩恵を実際の収益として受けることができます。
UGCは、今では企業と消費者の両方を魅了する消費者生成コンテンツとして、注目を集め続けています。
※1social proofと呼ばれる。1980年代にアメリカの心理学者であるロバート・B・チャルディーニが提唱した心理学用語。人間が自身の判断や思考・行動に妥当性を持たせるために、周囲の社会的評価や意見、行動を参考にする、またはそれらに影響されることを表す。
ーUGCコンテンツの魅力
UGCコンテンツやビジュアル UGCコンテンツは、顧客のリアルな体験を起点として作成され、発信されます。これは、企業が行う宣伝や投稿より信頼感が高く、ユーザーが商品やサービスを利用する際のイメージを持ちやすくなります。
また、ブランドに課される制約がないため、自由にコンテンツを作成し、表現できることにより、多種多様な創意工夫が施され、映えるコンテンツとして、商品やサービスの魅力を発信してくれます。
3.UGCツールとは
ーUGCツールの特徴
UGCツールとは、端的に表すとお客様のリアルな声を「口コミ」や「レビュー」として自社サイトに表示させるためのツールです。しかしながら、その機能はツールによって、多種多様であり、単に口コミやレビューを表示させることが、レビューツールである UGCツールの役割ではなく、レビューの創出・収集・活用といった幅広いマーケティング効果を秘めた注目を集める訴求ツールです。
例えば、口コミやレビューなどのUGCを用いることで、企業が製品やサービスの改善点、販促ポイントを分析することができるため、お客様のニーズにリアルタイムで応えていくことができます。また、マーケティングキャンペーンの効果測定やブランドの評判管理にも利用でき、市場のトレンドや競合の動向にも迅速に対応することができます。
現在、UGCツールは、InstagramやTikTok、Xを含むSNSに投稿された写真や動画などのビジュアルコンテンツ素材をビジュアルUGCツールとして活用することができ、テキストレビューを表示する以上の機能性を実装しています。従来的なテキストレビューに加えて、ビジュアルレビューを活用することで、サイトの内容をよりリッチにすることができ、視覚的なお客様への訴求を行うことが可能となります。
UGC収集の方法としては、動的メール送信によるもの、SNSのハッシュタグ検索によるもの、実店舗等でQRコードとの連携によるものなどツールによって方法は異なりますが、様々な方法があります。
ーUGCツールの種類
A.UGCツール
従来の星評価を掲載したり、テキストによる口コミやレビューを表示したりするレビューツールです。ツールによってその機能は様々で、口コミやレビューの創出・収集・分析・活用といったカテゴリーで、得意分野が異なります。その他、Q&A機能を実装するものやマーケティング施策を実装するもの、レビュー収集を得意とするもの、SNS投稿の収集を得意とするもの、実店舗向けのツールなどその特徴は様々です。
B.ビジュアルUGCツール
ビジュアルUGCツールは、InstagramやTikTok、XなどのSNSに投稿された写真や動画などのビジュアルコンテンツを、ハッシュタグ検索機能などを用いて収集し、アルバムのように自社サイトに表示させる比較的新しいツールです。
UGCツールは、現在目まぐるしく進化し続けているため、常に最新の機能をチェックする必要があります。
ーUGCツールの導入効果
UGCツール導入の効果としては、サイトのLP改善によるCVRの向上、PLAへの商品評価情報の掲載によるCRT改善、リプライ機能を用いた顧客とのコミュニケーションによるエンゲージメントの向上など様々です。
UGCツールやビジュアルUGCツールを導入していただくことで、テキストコンテンツや写真・動画を用いたビジュアルコンテンツの掲載により、先述の効果が発揮されることで、自社サイトが強化され、訴求力が高まります。結果的には多くのマーケッターが日々取り組むSEO対策として、リッチに活用することが可能と言えるでしょう。
UGCツールによって、特徴や機能、価格面など違いがあるため、自社ECサイトのマーケティング目標に沿ったツールを選び、活用することが大切です。
4.UGC施策
ーLP改善
LP(Landing Page)にレビューが掲載されることで、サイトのボリュームが増え、視覚的に一段と見応えのあるページ作りが可能となります。UGCツールによっては、ただレビューを表示させるだけではなく、サイトのデザインに合わせて、レビューの見せ方をカスタマイズすることができるツールもあるので、サイトの見栄えやSEO効果を重視される場合は、比較検討されることをお勧めいたします。
ーCVR改善
レビューが掲載されているLP(ランディングページ)と、レビューがないLP(ランディングページ)で効果測定を行ったところ、レビューのあるLPの方が、1.2倍もCVR(Conversion Rate)が向上したことが確認されました(自社調べ)。弊社ユーザーからは、「CVRが2倍以上向上した」とのフィードバックも多数いただいております。
ーCTR改善
レビューは、星評価やテキスト、ビジュアルコンテンツを用いるため、より詳細な情報を必要とする消費者の目に留まりやすく、同じ商品名で検索した時に、レビューありのサイトの方が視覚的訴求を可能にします。レビューを掲載していることで、PLA(Product Listing Ads)に星評価や数字評価、レビュー件数が表示されるため、自ずとCTR(Click Through Rate)が改善されます。
ーエンゲージメントUP
お客様から投稿されたレビューに返信することで、エンゲージメントが上がります。多くのユーザーは現在、PCよりもスマートフォンをメインのデバイスとして、オンラインショッピングを行うことが多く、画面のスクロールも早いため、コンテンツがあまり見られていないこともありますが、レビューの掲載があることで、消費者の注意を引くことができ、スクロールの手を止めることができます。その結果、サイト滞在時間が増え、エンゲージメント率が上がります。UGCツールによっては、レビューが受注に与える影響を確認でき、エンゲージメント率を分析することができるため、マーケティング効果測定に活用することが可能です。
ーリプライ機能
UGCツールの中にはお客様から投稿されたレビューに返信することができる機能が搭載されています。お客様のご不明点や、ご不満点をレビューに直接スタッフが返信することで、オンラインにおいても、実店舗のようなone to oneの接客を実現することができ、顧客ロイヤルティを引き上げることができます(※2)。1件1件丁寧に返信するには、それだけ時間がかかるため、スタッフの作業量が増えますが、そこについては、UGCツールの機能を活用し、返信を自動生成する機能を実装しているものがあるため、スタッフの工数を減らすことができます。また、この一連のやり取りは、同じような疑問や懸念をもつお客様へのコンテンツとして表示することができるため、お問い合わせ件数を減らすための工夫として活用することも可能です。レビュー掲載画面だけではなく、自社サイトの「よくあるご質問」ページに掲載し、お問い合わせにかかる工数を減らすなどの活用も見受けられます。
※2ここでいうロイヤルティとは、顧客のブランドへの愛着や好感のことを指します。
ーアンケート活用
商品やサービスをご購入いただいたお客様に、レビュー依頼を行うとき、レビューの自由記述の依頼だけではなく、店舗からマーケティング施策に活かしたいポイントを含む質問の掲載を設定することができます。テキストレビューと同時に質問への回答をしていただくことができ、これをアンケートとして活用することができます。ここでポイントなのは、アンケートの質問を、忙しいユーザーでも答えやすいように、適度な数にしておくことや、回答を選択式にするなどの工夫をすることです。例えば、食品の通販であれば、購入回数やその商品をどのように使っているかなどの用途、味の美味しさ、便利さ、満足度などに回答していただくことができます。また、レビュー投稿、レビュー写真・動画添付、SNSシェアといったアクションにリワードを付与する等の工夫をすることで、UGCを集めやすくなります。ご回答いただいた質問を、そのままレビューにカテゴリー分けして表示することで、顧客は自分に近いユーザーのレビューを判断して見ることができるので、高い訴求力を実現します。
ーUGCとビジュアルUGC
InstagramやTikTok、XなどのSNSを通じて収集した写真・動画を用いたUGCをオウンドメディアへ表示させることにより、消費者はより詳細な商品やサービスの情報を得ることができます。例えば、アパレルのUGCであれば、身長や体重だけでなく、流行の骨格診断結果や、パーソナルカラーなどを明記したユーザーによる投稿があった場合、自分の体型と比較して、実際の着用感を確かめることができます。これにより、オンラインショッピングでのミスマッチを防ぎ、返品工数の削減が実現できます。
また、ビジュアルUGC機能を用いることで、一般ユーザーのコンテンツだけではなく、ブランドスタッフが作成した写真や動画をスタッフ投稿と明記して掲載することもできます。これにより、商品やサービスの説明を、より丁寧にわかりやすく、競合他社と差別化して行うことが可能です。実店舗をもつブランドであれば、店舗ごとのビジュアルアルバムをカテゴライズして掲載することができるため、オンラインと実店舗両方の魅力をレビューツールを活用して伝えることができます。商品ごとにカテゴライズしてレビューを掲載することができるツールもあるため、より消費者目線の情報提供を実現することができます。
Instagramと連携することで、自社サイトの商品・サービスページにお客様の新規流入を促しやすくなるだけでなく、そこでお客様の関心に留まることで、後々オーガニック検索していただける可能性が高まるため、ビジュアルUGCをうまく活用することで、CVRを上げることができます。
5.UGCとマーケティング戦略
ーUGCマーケティングとは
UGCマーケティングとは、消費者によって創出されたコンテンツを収集し、顧客にとって信頼できる情報源として活用することで、収益に繋げるマーケティングのことです。
高額な広告費用をかけることなく、効果を上げることができるため、高い費用対効果を見込むことができるため、CPAが高騰している今、取り組み始めるタイミングに適しています。本項では、UGCマーケティングを活用した様々なマーケティング戦略について解説していきます。
ーロイヤルカスタマーの創出
ロイヤルカスタマーとは、特定のブランドや製品、サービスへ愛着をもち、それらを好んで長期間にわたり何度も購入し続ける顧客層のことをいいます。購入頻度が多く、購入額が高い優良顧客とは異なり、ロイヤルカスタマーは、ブランドや製品、サービスへの特定の愛着をもつとされています。簡単には他のブランドへ流れない「根強いファン」であることが特徴といえるでしょう。
ロイヤルカスタマーの創出は、現代のマーケティングにおいて、非常に重要な課題となっています。なぜなら、ロイヤルカスタマーの創出により、継続的な安定した収益の獲得と長期的なビジネスプランの構築が可能となります。また、ロイヤルカスタマーは、自身が愛用するブランドや製品、サービスをまだ知らない顧客層に積極的に宣伝してくれるため、レビューの信頼性も高く、新規顧客の獲得につながりやすいという側面をもちます。
ーone to oneマーケティング
ロイヤルカスタマーを創出するためには、いくつかのマーケティング戦略を講じる必要があります。その一つがone to oneマーケティングです。one to oneマーケティングとは、言葉の通り、一人ひとりの顧客のニーズに合わせて顧客とコミュニケーションを図るマーケティング手法のことです。
ロイヤルカスタマーを創出するためには、顧客に寄り添った顧客視点の情報を提供することが重要です。このコミュニケーションが、信頼性と安心感を生み、製品やサービスを購入してもらうきっかけとなります。
例えば、顧客の興味・関心がありそうな情報をメール配信したり、顧客の購入履歴などから関連した商品を表示するレコメンデーション機能を設けたりするといったことが挙げられます。
また、購入後のサポートを積極的に行うことで顧客のファン化を促進するきっかけとなります。UGCツールを用いて、顧客から寄せられたレビューに返信することで、顧客はレビュー投稿へポジティブな感情を持ちやすくなり、次回購入時に再度レビューを投稿してくれる可能性が高まります。
ーファンマーケティング
ファンマーケティングとは、商品やサービスを愛用し、“推し”てくださるブランドのファンを育成し、その影響力を活かしてマーケティングを行う手法です。
ロイヤルカスタマーよりもファンの方が、熱狂性があり、より強い愛情を持って商品やサービスを利用し、宣伝してくださいます。近年、ロイヤルカスタマーやファンの育成のために、ブランド独自のコミュニティを展開し、顧客同士がコミュニケーションを図ることのできる「場」を提供する企業も見受けられるようになりました。
そうしたコミュニティでは、すでにブランドのロイヤルカスタマーやファンが互いに意見交換したり、ブランドの情報収集をしたりと、活発に交流している様子が見受けられます。
そうした一つのコミュニティとして活用できるのがUGCツールです。UGCツールにおいて、ロイヤルカスタマーやファンから寄せられたレビューは、信頼感があり、リアルな顧客体験としてトップレビューに表示することで、既存顧客だけでなく新規顧客に対しても、ブランドに対する良い影響を与えることができます。
また、彼らがアイデアを創出し、シェアする場としてUGCツールというコミュニティを活用していくことにより、新規顧客だけでなく、優良顧客など様々な層の顧客にポジティブな影響を与えることができ、新たなロイヤルカスタマーやファンの育成に繋げることができる可能性を秘めています。
6.UGC活用時に知っておきたいリスクと対策
ーUGCとネガティブレビュー
UGCを収集するときに、ネガティブなレビューが投稿されることがしばしばあります。ネガティブレビューがあることで、商品やサービス、ブランドへのイメージが悪くなることが考えられるため、お困りの企業も多いかもしれません。
商品に対する不満や実際の使用感と違ったなどのネガティブレビューの場合、むしろ掲載することで、ブランドへの信頼が上がる可能性を秘めています。近年、レビューの質が問われる傾向にあり、良いレビューばかりだと新規のお客様からは、「サクラ」を疑われてしまいます。そのため、評価が低いレビューをあえて掲載することで、ネガティブなレビューも掲載する信頼できるブランドとしてサイトを利用していただきやすくなるという側面を持ちます。
また、ネガティブレビューに返信することで、顧客にとっては自分のレビューを見てもらえているという意識が高まり、顧客エンゲージメントを上げることができる可能性があります。この一連のやり取りをレビューに掲載しておくことで、ブランドが顧客対応に真摯に取り組んでいると他の顧客にも伝わりやすく、ネガティブレビューを放置しない姿勢が大切と言えるでしょう。
一方で、商品やサービス、ブランドへの誹謗中傷や、根拠のないネガティブレビューが投稿された場合、ブランドのイメージ低下を招いてしまうため、そのままにしておくわけにはいきません。この場合は、レビューツールによって搭載されているレビューの公開・非公開設定の機能を用いることで効率的に問題に対処できます。対象のレビューを非公開設定にすることで、サイト上にはレビューが表示されなくなります。また、UGCツールU-KOMIのように、AIでレビューを自動判別し、公開・非公開・保留を設定できる機能もあるため、スタッフの工数を減らすことができ、時間があるときに、非公開・保留になったレビューを確認することができます。こうした機能を利用できることは、レビューツールならではのメリットと言えるでしょう。
ー薬機法(旧薬事法)対策
「薬機法」とは、「旧薬事法」のことを指し、「医薬品医療機器等法」とも呼ばれますが、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」という法律です。以下、その目的を引用します。
「第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下『医薬品等』という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。(※3)」
この薬機法がレビューで課題視される要因としては、この法律が企業だけでなく、一般消費者の発信も対象となるためです。商品の効果効能に関するレビューは、客観性がなく、その商品の効果効能を保証するものとしてみなすことはできません。したがって、そのようなレビューは薬機法に触れるため、掲載することはできないのですが、お客様が書いてくださったレビューの文言のうち、薬機法に触れない文言は掲載したい場合があるかと思います。その場合、レビューツールを活用していただくことで、薬機法に触れるレビューの文言、いわゆるNGワードのみを表示させず、その他の文面をそのまま記載することが可能です。
※3厚生労働省.“医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律”.
1960-08-10,https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=81004000&dataType=0&pageNo=1,(参照2025-02-03).
ーステマ規制への対応
ステマとは、いわゆるステルスマーケティングの略称で、商品やサービスについて、宣伝であることを隠して宣伝を行う行為のことをいいます。例えば、レビューなどを利用して、いわゆる「サクラ」に似た手法で自社の商品やサービスを宣伝することが該当します。また、人気のあるインフルエンサーなどに報酬を支払っているにもかかわらず、そのことを明示せずに商品を宣伝してもらうといった行為も該当します。これにより、第三者による投稿ということで信頼性を確保するはずのレビューの信頼性が損なわれ、ステマを行っていることがばれた場合は、企業への信頼が損なわれます。
自社宣伝や、報酬授受による宣伝は、明記して行うことが、社会的信頼を保つ上では重要です。
7.UGCとSEO相乗効果
ー検索エンジンにおける評価への影響
レビューや口コミは、消費者が直接経験したことを経て発信されるため、一次情報(※4)と呼ばれます。これは、GoogleのSEO対策でしばしば言及されるE-E-A-T(※5)に該当するため、SEO対策として、Googleからの評価を得る対象となります。E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)を意味します。
UGC掲載により、キーワード量やコンテンツ量が増えるだけではなく、レビューを常に収集し、情報を更新することで、コンテンツの鮮度が新鮮に保たれます。ユーザー目線の情報を発信していることから、ユーザーの検索の目的や意図、キーワードと関連しやすくなり、CTRの向上やサイト滞在時間の向上になり、SEO対策としての効果を実感できるでしょう。
※4一次情報とは、情報提供者本人が直接経験したことや、アンケートやインタビューなどの調査で得た情報のことを指します。
※5Elizabeth Tucker.”品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E. を追加”.2022-12-15, https://developers.google.com/search/blog/2022/12/google-raters-guidelines-e-e-a-t?hl=ja, (参照2025-02-10).
ーUGC収集と継続の重要性
UGCは継続して収集し続けるほど、SEO効果が高くなります。情報資産と呼ばれるUGCの効果は先述の通り自社サイトを強化するものであるため、レビューを継続的に創出・収集・蓄積していくことが重要です。データが蓄積し、目に見えて数が多くなれば、低評価のレビューが多少あった場合にも、多くの顧客に利用されている証となり、結果サイトへの信頼性が高まります。
ー自社サイトをリッチにする秘訣とは
Amazonや楽天などのモールと自社のオンラインサイトを併用して運用されるブランドも多いかと思われます。Amazonや楽天の方が、売れ行きがよく、検索した時に閲覧されやすいが、自社サイトでの売上がなかなか追いつかず、サイトへの訪問者も少ないというお悩みを抱えるブランドも少なくはないのでしょうか?この問題にUGCツールは応えることができます。
UGCが自社サイトに掲載されることで、サイト内のコンテンツ量が増え、ビジュアルUGCの活用と併用することで、サイトの見栄えをリッチにすることができ、顧客の関心を惹きつけやすくなります。また、Google検索のPLAにAmazonや楽天のように星評価や数字評価、レビュー件数が表示されることで自社サイトへの訪問を促し、CVRを改善することができます。これらの一連の対策は、自社サイトへの訪問者数や、自社サイトでの売上を伸ばすだけではなく、自ずとSEO対策になるため、相乗効果を見込むことができます。
8.UGCの最新活用事例集
UGCツールU-KOMIをご利用いただいている実際のブランド様を、ツール導入の効果の観点からご紹介いたします。
ーくらしきぬ様(CVR改善)
https://u-komi.com/jirei/jirei18
シルクやウールの天然素材をふんだんに使用した靴下・肌着を販売する「くらしきぬ」を展開する株式会社クラビズ様。U-KOMIを導入して1ヶ月で750件以上のレビューが集まり、流入セッションは1.5倍、コンバージョンは1.2倍、売上も1.3倍ほどに増加しました。
ーfamfam様(リプライ機能の活用)
https://u-komi.com/jirei/jirei33
国産の安全な牛肉を原料に、愛犬向けフードを販売している株式会社フロム様。U-KOMI導入後、レビューを参考に購入されるお客様が増え、CV率が上昇しました。レビューへの丁寧な返信を通じてお客様とのコミュニケーションが活性化し、自社ブランドへの安心感や信頼感の醸成につながっています。
ーKEYMEMORY様(ビジュアルUGCの活用)
https://u-komi.com/jirei/jirei30
“鎌倉の特別な時間”をコンセプトに、ルームウェアやあらゆる職場のユニフォームから着想を得て、日々の生活をリラックスして過ごせるアイテム を、鎌倉でデザイン・販売しているKEYMEMORY様。U-KOMI導入後、3ヶ月で1,700件ものレビューを集めることに成功しました。スタッフが作成したショート動画やライブ配信を、ビジュアルUGC機能を用いてUPされ続けることで、実店舗での接客にも活用されています。
9.UGCでマーケティング新時代を拓く
ーAIフェーズのUGC戦略
現在、AIはマーケティングに欠かせない存在となっています。UGCにも、AI機能を搭載するものが多く、AIは今後ますます重要なツールになると言えます。
UGCにおけるAI機能に関しては、先述したレビューの自動判定機能が挙げられますが、最近では収集したレビューを分析し、要約して上位表示する機能や、お客様からの質問にAIが自動で返答する自動返信機能を備えるものもあります。
一方で、UGCがAIに効果的な側面を持つことをご存知でしょうか?
Chat GPTやGoogle AI Overviewsなど生成人工知能は、ビジネスの場面だけではなく、一般のユーザーからも日々利用されています。日常に関して特定商品やサービスを検索されることがあり、こうした場面では、UGCツールを導入しているサイトの方が、紹介されやすいというメリットがあります。
つまり、UGCツールを導入していない競合他社から一歩リードを取ることが可能です。
AIとUGCツールは相互に影響しており、今後さらなるUGCツールの利用効果を見込むことができるでしょう。
ーUGCの将来の展望
UGCは、マーケティングの観点から見て、すでにその訴求力を発揮しており、これを活用しないことは、一定のビジネスチャンスを失っていることに等しいと言えるでしょう。UGCは、日々生成され続けているため、UGCツールだけでなく、ブランドコミュニティに戦略的な影響を与えます。
今まで、CRM(Customer Relationship Management)=顧客関係管理に着目するブランドは多かったかもしれません。これは、企業と顧客との関係を相互の利益を目的として管理・強化するシステムを指し、顧客情報の管理と活用がメインになります。顧客との信頼関係の構築やリピーター、ファン化のために取り組むブランドが多く見受けられます。CRMは、企業が顧客との関係を強化するために、工数や費用をかけてマーケティングを行いますが、その先をいくマーケティングにUGCの展望が拓けています。
それはFRMと呼ばれるマーケティング施策です。FRMとは、Fan Relationship Managementの略称で、ファンがファンを呼ぶ、育成するという新しい概念です。具体的には、顧客同士がコミュニケーションをとることのできるコミュニティを形成し、ファンのロイヤルティを高め、新規の顧客を含めたファン同士で商品やサービスを広めてもらう施策です。突き詰めれば営業のいらないマーケティングを実現する可能性を秘めた施策と言えるでしょう。口コミやレビューと連携し、UGCがリアルタイムにやり取りされることで、常に鮮度の高いコミュニティプラットフォームが育成され続けることで、広告の費用対効果、顧客データの分析・活用といった様々な課題をクリアにしていくことが可能です。
終わりに
今回は、UGCについて、基本的な概念から、活用施策、リスク対策、将来の展望まで、多岐に渡りご紹介いたしました。UGCって何?そもそもUGCは本当にマーケティングに強いのか?といった様々な疑問へのUGCガイドとしてご活用ください。
U-KOMIは、お客様の声を収集し活用するためのUGC(ユーザー生成コンテンツ)活用ツールです。このツールを利用することで、自社ECサイトにおいてレビューを美しく表示し、Instagramのコンテンツを活用してコンバージョン率(CVR)を向上させることはもちろん、レビューという生きた情報資産をリアルタイムに活用していただけるような仕組みを機能として実装しています。様々なお客様のご要望に柔軟にお応えしております!
これを機に、UGCツールの導入によるメリットを考慮し、是非、自社のマーケティング施策に沿って、導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。
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